やっぱりあなたと　～クールな上司は強がりな部下を溺愛する～
悩んだ末に出た言葉は一番離れているときに莉緒に言いたかった言葉『よく頑張ったな』だった。

その言葉に急いで椅子から立ち上がる莉緒。
疲れた顔をしている。離れてまだ一週間もたっていないのに、体が一回りも二回りも小さくなったように感じる。
そんな姿を見たら我慢していたものも、こらえていた想いも溢れそうになった。

気付けば莉緒に向かって両手を広げていた。無理やり抱きしめるという強行手段には出ないでいられた自分を少し心でほめると、少しためらってから、莉緒はその腕の中に飛び込んできた。

『ばかっ勢いつけんな』とかごまかして言う和哉。思わずそのうれしさに、自分の腕の中にずっと求めていた存在があることを実感して大きな喜びと充足感に満ち足りた気分になり笑みがこぼれる。

和哉は胸の中に納まる莉緒の体をぎゅっと抱きしめた。

『あー長かったー』
思わず漏らした本当の気持ち。ほんの少しの距離ももう離れたくはなくて、和哉は莉緒の体をギュッと抱きしめて離せなかった。
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