やっぱりあなたと ～クールな上司は強がりな部下を溺愛する～

「もぉー」
莉緒が突然目を閉じて大きな声を出したことに驚いた和哉が莉緒の顔を覗き込む。
「なんだ？ひいた？俺の気持ちの重さにひいたか？」
莉緒は首を横に振る。

「どうした？」
不安そうな顔で自分の顔を覗き込む和哉の顔に莉緒は少し瞳を開けてすぐに閉じた。
少し開いて閉じただけなのに、大粒の涙が莉緒の瞳からあふれ出す。

「なんだ？どうした？」
流れ出た涙を拭いながら和哉が慌てる。

「どうして私がうれしくなるような言葉ばっかり言うんですか。もう。」
泣きながら莉緒が言った言葉に和哉は声をあげて笑った。
「なんだ。うれしくて泣いてんのか。なんだ。そっか。」
「泣きますよ！こんなにうれしい言葉連発されたの初めてですもん。」
「そっかそっか。うれしいのか。ほら。おいで。」
和哉はそう言って莉緒を簡単に自分の胸の中に抱き寄せて、強く抱きしめた。