やっぱりあなたと ~クールな上司は強がりな部下を溺愛する~
「わかった。でも、俺が届く距離にいろよ?」
「はい。ありがとうございます。」
同じ仕事をしてきたからこそ、和哉は莉緒の仕事をする姿勢を見て来たからこそ、莉緒の気持ちを尊重することにした。

莉緒は少しして、自分の足で立ち上がると、すたすたと何もなかったかのようにスタッフに挨拶をして店舗を出た。

すたすたと歩く莉緒の少し後ろを和哉が歩いてくる。


顔色はさらに悪い。
少し、足が震えているのが和哉の距離からは見て取れた。

ローヒールの靴のかかとがすり減っている。
どれだけ最近の莉緒が歩き回って仕事をしていたか見ているようで和哉の心は痛んだ。
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