やっぱりあなたと ~クールな上司は強がりな部下を溺愛する~
「だからさ」
和哉は明るい口調に変えて話始める。

「市橋に出合った時、少し俺に似てるって思った。感性も感覚も。でも、仕事の仕方は俺よりがむしゃらでさ。本当に体当たりで。」
「・・・」
恥ずかしくなり少しうつむく莉緒。
「なのに、初めて会った日に俺と古屋を自分があこがれる店に連れて行ってくれただろ?」
「レストランですか?」
「そうそう。あの時、俺はお前にひきこまれたんだ。」
和哉はハンドルを握りながら目を細める。

「俺はコンサルティングしながらも絶対に、相手に心入れはしない。」
「心入れ?」
「そう。あんまり肩入れしすぎると感情が入りすぎてほかの仕事にも、もしもそのコンサルティングがうまくいかなかったときに前に進めなくなりそうで怖かった。」
「・・・」
「なのに、お前はどんどんその店舗の人の輪の中にはいっていくんだもんな。」
莉緒を見て笑う和哉。
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