やっぱりあなたと ~クールな上司は強がりな部下を溺愛する~
「お前」
和哉の言葉に莉緒が顔をあげると和哉が真っ赤な顔で莉緒を見ていた。
「どきどきすんだろうが」
照れる和哉の顔を見て、莉緒は笑った。

自分にしか見せない和哉の表情が今はうれしい。

「よし!巻いて終わらすぞ!」
気合を入れて和哉は支払いを済ませるとタクシーから降りた。

莉緒は先に歩いていく和哉の後ろにぴったりと寄り添うようにして歩きだした。

和哉は会場に着くと、真っ先に取引先の上司の隣の席に座った。そして自分の隣に莉緒を座らせる。上司と自分が並んで座り、その横に莉緒を座らせれば莉緒を守ることができる。
はじめから莉緒をフォローしようとしている和哉の配慮に甘えながら莉緒は飲み物の注文や料理を配ることに集中できた。
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