やっぱりあなたと ~クールな上司は強がりな部下を溺愛する~
「なんだよ。ちゃんと言ってくれないとわからない」
和哉が莉緒をまっすぐに見つめて言う。

莉緒は観念したように自分の気持ちを言った。

「慣れてるなーと思たんです。女性の扱いというか・・・なんというか・・・」
和哉は莉緒の言葉に少し考えてから、ふっと微笑んだ。

そして、莉緒の頬に手をあててじっと莉緒の目を見る。
「お前、無意識か?」
「え?」
「そうやって俺の心臓攻撃ばっかすんな」
和哉は言い終わるか終わらないかのうちに莉緒の唇に自分の唇を近付けていた。

少しの距離すら今はもどかしい。

莉緒も気持ちは同じだった。

場所なんて今の二人には関係などなかった。

二人は口づけを交わしてから、少し照れて再びマンションまでの距離を歩き始めた。
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