やっぱりあなたと ~クールな上司は強がりな部下を溺愛する~
二人の未来には
「・・・」
まぶしい朝陽に目を開けるとそこにはきれいな顔をして、ぐっすりと眠る和哉。
莉緒は温かくて少し恥ずかしい気持ちがあふれて思わず少し微笑んだ。

じっと近い距離で和哉の寝顔を見つめるのははじめてだ。

ふと気が付くと自分の体をしっかりと離さずにいる和哉。

長いまつげ。すっと筋の通った鼻。昨日熱い口づけを何度も交わした唇。

和哉に気づかれないように莉緒はそっとその一つ一つを指でなぞる。




愛する人を、朝陽の中で見つめることがこんなにも自分の心まで満たされると知らなかった。

いつもは夜のうちに背中を向けて、離れてしまった・・・過去の恋。
ふと思い出すとツンと鼻の奥が痛んだ。

でもそれは悲しみや寂しさを思い出したからじゃない。
今が温かすぎて、満たされすぎて、喜びと愛しさでつんと痛んだ。
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