やっぱりあなたと ~クールな上司は強がりな部下を溺愛する~
和哉と出会って数カ月で、以前同じ席でコーヒーを飲んでいた自分とはまるで別人だと莉緒は思っていた。

あの時は・・・もう一度こうして誰かと恋できるなんて思っていなかった。

それが今は隣には和哉がいる。

莉緒がちらりと視線を送ると、微笑み返してくれるその人を、莉緒はこんなに好きになると思っていなかった。

あんなに怖かった恋が。
もう二度と悲しくて苦しい思いはしたくないと思っていたのに。

今は、和哉と一緒の時間にどきどきして、次に待つ二人の時間にどきどきしている。

もちろん不安に感じることも、過去の恋を思い出して心が痛むこともあるのに、そこを塗り替えるくらい和哉は欲しい言葉を莉緒にくれる。
欲しいぬくもりを無条件でくれる。

大きな和哉の愛に包まれて、莉緒は自分自身が変われていることに気が付いていた。
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