やっぱりあなたと ~クールな上司は強がりな部下を溺愛する~
莉緒が和哉を見つめていると、穏やかに優しく微笑んでいた和哉の表情が急に不安そうに、心配そうに変化した。

その表情の変化に莉緒は理由が分からずに、莉緒も不安になる。

すっと和哉の手が莉緒の方に伸びてきて、莉緒の頬に触れた。
何かを拭うような和哉の手の動きに何かついていたのかと莉緒は思う。
でもそれにしては和哉の表情が心配そうなのには変わらない。

「どうした?」
和哉の言葉に、莉緒は訳が分からずに首をかしげる。

「涙」
そう言って和哉がもう一度莉緒の頬を拭う。
「え?」
莉緒は自分の頬に触れた。

かすかに濡れている。

莉緒は自分の瞳から涙があふれていることに気づいた。
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