やっぱりあなたと ~クールな上司は強がりな部下を溺愛する~
過去と未来
古屋が仕事を任されてから2週間後。
莉緒は和哉の言葉を守り、必要最低限の確認とフォローだけをしていた。
かなり気合の入っていた古屋。その頑張りを莉緒も和哉も認めていた。

「えーっ!」
マーケティング部のフロアに古屋の大きな声が響いた。
隣に座っていた莉緒も驚いて古屋の方を見る。
和哉も確認していた書類から視線をあげて、古屋を見た。
古屋は電話の受話器を持ったまま固まっている。

莉緒はすぐに電話機のディスプレイを見た。
その番号は建設会社だとすぐに莉緒はわかる。
莉緒は取り組んでいた仕事をやめて、自分のパソコンでその建築会社とのやりとり記録を確認する。

古屋は何とか電話で応対しようとしているが、たじたじになっている。
電話を代わろうかと莉緒が和哉にちらりと視線を送ると、和哉は莉緒に首を横に振った。

もどかしい気持ちのまま莉緒はやりとりの記録にミスがないか確認をしていく。
< 330 / 413 >

この作品をシェア

pagetop