やっぱりあなたと ~クールな上司は強がりな部下を溺愛する~
和哉はポンと莉緒の肩をたたいた。
「お前も、チャンスだな」
莉緒自身も誰かの支え方を学ぶチャンスだ。
「・・・はい。」
元気なく返事をする莉緒に和哉は二人の時に見せる笑顔になった。
「元気出せ。これからだぞ。」
「はい」
「頑張れ」
「・・・部長」
「ん?」
「ごめんなさい。」
莉緒は一度でも、一瞬でも和哉に嘘をついてしまったことを大きく後悔している。
そのことを謝ると、和哉も莉緒の想いをちゃんと受け取っていた。
莉緒に微笑みながら首を横に振り、もう一度莉緒の肩をポンと撫でてから和哉は自分の席に戻った。


古屋は何度か言葉に詰まりながらも、建設会社との連絡を終えた。
莉緒は古屋の肩を、自分に和哉がしたようにぽんとたたく。
そして大きく頷いた。
莉緒の頷きに古屋は頭を深く下げてから、唇をかみしめた。
< 333 / 413 >

この作品をシェア

pagetop