やっぱりあなたと ~クールな上司は強がりな部下を溺愛する~
古屋のミスで現場は完全に作業が止まってしまっているらしい。
これから職人の前で一人頭を下げ古屋を想うと莉緒は一緒に現場に行って頭を下げたい。
むしろ自分のミスだといったほうが気持ちが楽だ。でもそれでは古屋のためにもならない。

それに、頭を下げて直接謝るほうが古屋自身もけじめになる。

莉緒は古屋の背中に、頑張れと何度もエールを送った。

莉緒は古屋を見送るとすぐにデスクワークにうつった。
自分の仕事もまだ中途半端だ。今はかなり忙しい夏のイベントの時期。
莉緒自身の仕事量もかなり多い中で古屋の仕事をフォローをするためには昼食も休憩も取っている余裕などなかった。

ミスだけはしないように気をつけながらどんどんと仕事をこなしていく莉緒。

和哉は昼を過ぎてから、その机の上にそっと甘いコーヒーを置いた。

忙しいのは和哉も一緒だ。
早く現場でフォローできるように、和哉も休憩なしで仕事をこなしている。
それを莉緒は気づいていた。
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