やっぱりあなたと ~クールな上司は強がりな部下を溺愛する~
「ありがとうございます」
和哉に視線を移した莉緒。
和哉は力強く頷いた。

莉緒は信じてはいても不安だった。
古屋は塗料をうまく交換できただろうか。調達できていなければ明らかに工期が遅れる。
頭の中では最悪の状況を想定して、すでに莉緒も和哉も計算を始めていた。

不安な莉緒の気持ちを察するように和哉は頷いたのだった。
大丈夫と和哉に言われると、不思議と心が落ち着く。

莉緒も、微笑んで頷き返した。


夕方になり、莉緒に和哉は声をかけた。
「俺現場に向かう。何かあれば携帯に連絡して」
「はい」
さすがの早さだと莉緒は驚いた。いつも残業して片付ける仕事を休憩なしでものすごい速さで片付けた和哉。
「私も急ぎます」
「待ってる」
莉緒にそう告げると和哉は現場に向かった。
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