やっぱりあなたと ~クールな上司は強がりな部下を溺愛する~
莉緒も何とか夜になり仕事をすべて終えて、急ぎ足で現場へ向かった。
古屋からは塗料がまだ調達しきれていない報告が夕方入っていた。かなりの面積を染める塗料。
そのすべてをまかなえる量の調達に至っていないのだ。

和哉の知っている業者や莉緒の知っているツテを介して何とか半分は集まったものの、残り半分が足りない。

莉緒は現場へ向かいながらも塗料の在庫がないかどうか確認をしていた。

現場までの途中にある小さな塗料を売っている店で莉緒は数本目的の塗料を手に入れることができた。莉緒は手にした塗料を抱きしめるようにして現場へ急いだ。

すでに時間は遅く、建設会社の社員たちは帰宅している。
現場の中には和哉の車がとめられていた。
「遅くなりました」
走って現場に入るとそこには和哉が塗料を塗る刷毛を手にして作業をしているところだった。

「お疲れ」
莉緒を見て、近づいてくる和哉。
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