やっぱりあなたと ~クールな上司は強がりな部下を溺愛する~
「懐かしいですね」
「そうだな。半年もたってないのにな」
「はい」
二人は目をあわせて微笑みあう。
「よし!やるか」
「はい」
気合を入れなおして二人は黙々と作業を始めた。

深夜をまわったころ、無事に塗料を受け取り、現場へ向かっているという古屋からの連絡が入った。

そのころには和哉も莉緒もかなり疲れが出ていた。
ただでさえ最近仕事が忙しかった。その中で追い打ちをかけるように今日は朝から休憩もなしに動き続けている。そして、日付が変わってもまだまだ作業が残っていた。

『ガタンッ』莉緒が脚立につまずいて転んでしまった。
「大丈夫か?」
すぐに和哉が手にしていたものを置いて莉緒の元へ駆け寄る。
「すみません。ちょっと休憩していいですかね」
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