やっぱりあなたと ~クールな上司は強がりな部下を溺愛する~
かなり珍しい莉緒の休憩を求める言葉に和哉は心配になる。
莉緒の背中に手をまわしてひとまず地面に転んだままの莉緒を抱き起す。
「大丈夫か?車で一回休んでろ。」
帰るように言っても今はタクシーくらいしか交通手段がない。
和哉はひとまず莉緒を自分の車の中で休ませるようにした。

「すみません。少し休んだら戻ります。」
「ばか。休んでろ。」
古屋が現場に戻るまでは離れるわけにはいかない。
和哉も莉緒もそれはわかっていた。

莉緒は和哉に支えられて後部座席に横になる。
すぐに和哉は莉緒の足元に自分のジャケットをかけた。
「暑いか?」
「いえ。寒いです。ちょっと。」
その言葉に和哉は「ちょっと待ってろ」と近くのコンビニで温かい飲み物を買ってきて莉緒に渡した。
「ありがとうございます。」
莉緒はその飲み物で冷えた手を温めようと握りしめた。
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