やっぱりあなたと ～クールな上司は強がりな部下を溺愛する～

「どうしたら俺はお前の不安ごと抱きしめられる？」
和哉が莉緒の肩を抱き寄せる。

「この前からお前、おかしいだろ？」
「・・・」
「一緒にいても、何をしていても、なんか不安そうな顔する。こうして無意識に笑ってんのに涙出てくるし。」
「・・・」
「どうしたら安心させてやれる？」
和哉の言葉に莉緒は何も答えることができなかった。

「・・・自分でもどうしたらいいかわからないんだよな、きっと。」
少し体を離して莉緒の顔を覗き込んだ和哉の表情が優しくて、莉緒は知らない間に大きくなっていた心の靄に、すべてがあふれ出すように、泣き出した。
そんな自分の気持ちすら和哉はきっとわかってくれているのだろう。

「一緒に暮らすか」
少しして和哉がそう切り出した。
「え？」
「ずっと考えてたんだ。離れるのが本当に嫌でさ。一緒にいたい。少しでも長く。一緒にいたいんだ。離れてる時間がもったいなくて仕方ない。」
突然の提案に莉緒は戸惑う。