やっぱりあなたと　～クールな上司は強がりな部下を溺愛する～
「これ？」
和哉にまだ3歳にならないオーナーの息子が絵本を読んでほしいと言っている。
「珍しいのよ？人見知りするようになっちゃったから。よく二人が来てくれてるから覚えてるのね」
「本当だな。よかったなー。」
オーナーも厨房から莉緒と和哉の方へ来た。
「いいよー。」
莉緒は上手に絵本を読み始める和哉に心がじんわり温かくなった。

「いつかこうして自分の子供に本を読む姿が目に浮かぶな」
「そうね。」
オーナーたち夫婦に莉緒はあこがれている。
いつも一緒にいるその距離感や、仲がいいことが伝わる雰囲気に、見ているほうが幸せになれるような関係だ。

「あーかわいいなー。さらっちゃいたい」
和哉も小さな男の子にでれでれで、始終頬が緩みっぱなしだ。

和哉は小さい子を見かけるとものすごく優しい表情をする。
本当に子供が好きなんだと莉緒は見ていて感じていた。
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