やっぱりあなたと ~クールな上司は強がりな部下を溺愛する~
「うん」
「なんか、考えたら寝れなくなってさ。父親って何だろうって。俺はどんな父親になるんだろう。どんな父親になりたいんだろうって。」
こんなにも自信のなさそうな和哉を見るのははじめてだった莉緒は、思わず和哉の手を握っていた。
「不安にさせたか?」
莉緒の体を気遣って話すことをためらっていたのだとわかった莉緒は和哉に微笑みを見せてから、大きな和哉の手を自分のお腹にあてた。

最近莉緒のお腹は突然大きくなってきた。

「大きくなったよな」
「うん」
毎日、莉緒のお腹に触れることが和哉の今の楽しみだった。

不安そうだった和哉の表情が一気にかわる。
穏やかで優しい表情で莉緒のお腹を撫でる。

「もう、和哉さんはお父さんの顔になってる。」
「ん?」
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