やっぱりあなたと ~クールな上司は強がりな部下を溺愛する~
「ちょっと・・・いい・・・?」

遠慮がちにかけられた声に高辻は立ち上がり、寝室を出た。

「話し・・・しなきゃと思って・・・」

こうして妻とちゃんと向き合うのはいつ以来だろう・・・。

目を真っ赤にはらしている妻は、髪が乱れて、疲れた顔をしている。

少しやつれたように見える。


高辻はこんな時でも冷静に目の前に座る妻を見つめている自分にすらうんざりした。

高辻の妻は深々と頭を下げた。
「本当にごめんなさい・・・。私・・・ごめんなさい。」

妻が何を謝っているのか高辻にはすぐにわかる。

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