やっぱりあなたと ~クールな上司は強がりな部下を溺愛する~
努力はした。でも・・・必死に笑っていても、心では自分を裏切った妻を憎み、無条件にかわいい息子を愛することが怖かった。

すべてに投げやりになって、自暴自棄になりかけた時に出会ったのが・・・莉緒だった。

俺は莉緒を利用して逃げたんだ。
現実から・・・逃げたんだ・・・


「ごめんなさい。本当に・・・。」
妻はまだ頭を下げたまま謝り続けている。

「もう、謝るな」
妻から目をそらしてそう言うと、妻は顔をあげた。
その顔は涙でぐちゃぐちゃだ。

「あなた知ってたんでしょ?真が・・・」
「知ってた。」
「いつから?」
妻には息子が、真が自分の子じゃないと気づいたことをずっと言わずにいた。
言えなかった。
真実を聞くことが怖くて・・・聞けないまま・・・背を向け続けてきた。
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