やっぱりあなたと ~クールな上司は強がりな部下を溺愛する~
自分でも気づいていなかったことをまだ一日しか一緒にいたことのない和哉に言われたことに、莉緒は和哉という存在が今まで出会ったことのないような人だと思った。

ふと自分の着ている和哉のウインドブレーカーを見る。
ぶかぶかで莉緒の全身を包むような大きさのウインドブレーカー。

自然と自分のテリトリーに入ってくる和哉。
しかもものすごく莉緒自身を知っている。莉緒以上に知っているかもしれない。

莉緒はもう一度胸の前で自分の手をギュッと握った。

これ以上、ほかの誰かを心に入れない。

そう決めた日のことを思い出す。

ひとり、広いベッドに取り残されたあの日を・・。
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