やっぱりあなたと ~クールな上司は強がりな部下を溺愛する~
じっと莉緒を見てから和哉は笑った。
「お前には俺の考えていることなんてお見通しだな。」
「はい。」
莉緒も和哉を見て笑う。

責任感が強いのは莉緒だけじゃない。和哉も徹夜での作業の後に、莉緒よりも先に出勤して、新しい職場の環境に慣れようとしていることを莉緒は知っている。昨日はいろいろと乱雑に置かれていたデスクの上が莉緒が出勤した時にはきれいに整えられていた。そんな和哉が本気でさぼろうとなんて思ってはいないと莉緒はすぐにわかった。

「行くか」
「はい」
和哉は気合を入れてハンドルを握った。

まだ回ったことのない担当マーケティングエリアを、車に乗ったまま、莉緒が和哉を案内していく。
「この地域はまだ開発されて2年ほどの新しいエリアです。新店舗も多いですが、今年に入り営業を辞める店も出てきました。」
「人気店のEternalって花屋は?」
「あちらです。」
「うちのコンサルタントした店舗の装飾で世話になってんだろ?」
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