やっぱりあなたと ~クールな上司は強がりな部下を溺愛する~
「はい」
莉緒はすぐに和哉が探しているデータを出して、渡した。
「早退してもいいんだぞ?」
「いえ。大丈夫です。」
いつものように営業スマイルを見せる莉緒。
「嘘だな。その顔は」
真剣な表情の和哉。すぐに和哉には莉緒の嘘の笑顔はわかってしまう。
どうしてわかってしまうのだろうかと莉緒は不思議に思うほどだった。

そして気づけば時計が7時を回っていた。
いつものように残業をしていた莉緒。
時計が気になりつい見てしまう。

本当に待つのだろうか。
行って言いたいことを言って、すっきりして、前に進めばいいのだろうか。
このままいかないほうがいいのだろうか。

行くことは罪になるのだろうか・・・。
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