僕らだけのsweetie
サイラスの一見すれば純粋そうな笑顔に狂気的なものが混じっていることにオーブリーは気付く。しかし、逃げることはできない。

「それにしても、オーブリーってやっぱり美人さんやね」

サイラスがその笑みを浮かべたまま、オーブリーに触れる。オーブリーが恐怖で目を閉じた刹那、ふわりと唇に柔らかいものが触れた。

「えっ……?」

目の前には、サイラスの顔がある。オーブリーは悪魔にファーストキスを奪われてしまったのだ。発言を許されぬまま、何度も唇を奪われる。

「ふっ……顔真っ赤。あれ?もしかしてキス初めて?」

可愛い、と言いサイラスはからかってくる。オーブリーは「だ、黙れ!!」とサイラスから顔を背けた。すると、バタバタと足音が廊下から聞こえてくる。

「おいサイラス!何してんだ?」

「女の子はみんなでお楽しみにするんだろ?」

「抜け駆け禁止です!」

そう言って残りの三人の悪魔も入ってくる。そして、オーブリーをサイラスが抱きしめていることに黒い笑みを浮かべた。サイラスは真っ青な顔をしている。
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