僕らだけのsweetie
村人たちに見送られ、オーブリーはひたすら山の中を歩いていく。いつ悪魔と遭遇してもいいように、銃を構えて警戒しなが歩いた。この銃は悪魔や吸血鬼だけに効く特殊な銃弾が入っている。

「……思ったより屋敷は村から離れているんだな」

険しい山道を歩きながらオーブリーは呟く。一歩足を踏み外せば大怪我をするかもしれないような場所をオーブリーは進んでいた。悪魔が今は出てこないように祈る。

悪魔は空を飛ぶことができ、高度な魔術を使うこともできる。そのため、自分たちの領域に一歩でも足を踏み入れられるとすぐにわかるらしい。しかし、悪魔が姿を見せる気配は一切ない。

「悪魔がいない?でも、魔力はこんなに濃いのに姿が見えないなんて……」

オーブリーは足を止める。晴れていたはずなのに、いつの間にか空は曇っていた。霧が辺りに立ち込める。そして、オーブリーは気付いた。

「すぐ近くにいるんだろう!!この悪魔ども、姿を見せろ!!」

悪魔が襲ってこないのは、オーブリーの様子を観察していたからだ。こんな悪魔に会うのは初めてだったが、オーブリーは驚くことなく声を上げる。
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