宝石龍と不良
一粒

ある所に一人の女と男がいた
一人の女は雪と言って龍神と言われる
一人の男は鋼と言って普通の人間
雪は鋼から恋をされていたがそれを断じて認めなかった
神が人に恋をするなど御法度だからこその想いだった
だが禁忌を二人は犯す
その間に生まれた一人の女を翡翠と言ったー
神々は怒りに怒った
雪は天界で檻に入れられ生涯を終える
鋼は神々の手で殺された
そして俺は神々に人間界に落とされる
赤子の俺は勿論生きていけないはずだった
だけど
人間の女が俺を拾い育ててくれたがその人もまた寿命で亡くなる
俺はその時すでに小学生
お金はその人がくれたものや受け継がれたもので何とかやりくりしていた
俺は人間が嫌い
神も嫌い
俺は覚えている
この眼で
両親を殺されたのを
そしてこの耳で
両親の最後の言葉を聞いたのを
俺は真っ暗な部屋で一人、啜り泣いた
翌日
小学生の役目を終える
周りの人間共は俺の姿を見て嘲笑った
だが俺はそれを無視して賞状を受け取り頭を下げないで席に座る
ザワザワとする中で俺は一人無言でいた
教室に行けば静かになる
非常にありがたい
俺は帰ろうとすると女子と男子に囲まれる
「あんたさぁ何でいつもむかつくの?」
「消えろよ」
俺は無言で歩き出す
周りは苛つき俺を突き飛ばすが俺は回転して着地する
俺は静かな目で
「………死んでみる?」
と聞くと
「殺せるもんなら殺してみろよ!」
だの
「あんたなんか怖くないわよ!」
震える声で言われても
「へぇ、じゃあ殺してやるよ」
俺はちっとも怖くねぇよ
俺は壁に手をつき宝石の剣を創り出す
周りは固まる
逃げようとしたところを壁を創り出して逃がさない
「死にたい奴から来い」
俺は静かな目で言葉を言う
男子は泣きながら首を振る
女子は震えて叫ぼうとした
「なぁ簡単に死ぬとか言うなよ、後さぁ気安く俺に触んなよ下衆共が」
俺は壁に剣を突き刺してスタスタと歩き去った
これが俺の小学生最後の思い出
非常に苛立つもの
中学生になり俺も思春期になる
だが
反抗期などなかった
一つ困ったものは龍の姿が大きくなっていたことだけ
龍は子供でも大きいのに大人になればさらに大きくなる
「宝石の制御もまぁまぁだな」
俺は宝石を一つ創り出してそれを見つめた
キラキラと水晶が輝く
「さて、これをどうするか」
俺は宝石店に行き水晶を渡す
それがお金になる
俺こうして生計を立てているのだ
中学生の入学式
俺は黒の手袋を両手につけて学校に向かった
ちなみに今の姿はピアスは両耳わからないくらい開けていて白のマスク
さぁ、これからの学生生活は期待していないが頑張ります
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