宝石龍と不良
二粒

中学生の入学式に行くとざわつく奴らが多い
(煩い人間共)
俺は軽く苛つきながらも前を見る
ざわつきが急に静かになった
「ヤベェ、あの人がいる」
周りの奴らの声が耳に届く
「学校一恐れられている不良」
祭壇に立つ一人の男
「えー、マイクテストマイクテスト」
俺はその人をただ興味なく見つめる
「竜胆牙狼」
(ふーん、興味無いな)
俺は欠伸をした
「これより校長が挨拶するぜ、ちゃんと聴かねえなら殺す」
その目は俺を捉える
俺はマスクをずらして舌を出した
そいつは苛立つように笑い、祭壇から降りる
(人間なんかたったこれだけで怒るのか)
俺は溜息を吐き夢の中へと行く
校長の話が終わると同時に目を開ける
そして
椅子を持って教室へと行く
教室に行くとあいつがいた
俺はそっぽを向いて椅子を下ろす
「担任の佐々木だ、宜しく!」
担任の自己紹介が始まる
『宜しくー!!』
周りはそれに対して反応した
(元気だな)
俺は興味なく空を見上げる
「次はー、神空翡翠?」
担任がそう言う
俺は席を立ち
「翡翠です」
とだけ言い席に座る
俺は自己紹介を終えて教科書を鞄に入れていると机に手が置かれた
「何」
俺はギロリと睨む
その手の持ち主は祭壇にいた不良
「お前、人嫌いか?」
突然質問をされる
(なんなの)
俺は苛つきつつ
「だったら何」
と答えた
そいつは俺を見て苛立ったのか俺に拳を振る
俺は触らず避けた
「な!?」
避けたことに驚く竜胆と周り
俺はスタスタと歩き去る
次は回し蹴りがきたがそれも避けた
「弱いね」
俺は鼻で笑い帰る
(神も人間も消えてしまえ)
俺は壁を殴り、舌打ちをした
翌日から学校は始まるもので俺は憂鬱な気分で行く
教室に行くのが嫌だと先生に言うと先生は
「大丈夫だよ!慣れさ!」
と人事のように言った
まぁ、人では無いけどな
「慣れ………ねぇ」
と呟き、先生から離れる
「あ!神空、」
先生の手が俺の肩に触れそうになった
俺は低い唸り声を上げる
「ガウゥ!」
先生は吃驚して手を引く
俺はギリと先生を睨み、歩き去る
「嫌われたかな………」
との先生の言葉を聞いた気がした
俺は教室に行かずに屋上で寝る
涼しい風が心地いい
「テメェ、さぼんなよ」
こいつさえいなければ
「………」
俺は無視を突き通す
竜胆は俺に近付きじっと見る
「お前女だったんだな」
(今更?)
「だったら何」
竜胆は俺を睨む
「戦えや」
「面倒いし、興味ない」
俺は欠伸をする
竜胆は俺に触れようとした
「触んな、殺すぞ」
俺の鋭い目つきに竜胆は下がる
(今の圧はヤベェ)
「俺が怖いか?」
鼻で笑う
「怖かねぇ」
「震えてるぜ?、餓鬼」
俺は煽る
竜胆が殴ろうとしてきた
俺は避けて
帰ろうとしたが腕を掴まれる
「っ!?」
俺は目を見開いて固まる
「待てや!って」
竜胆も目を見開く
(壊れる!)
俺は竜胆の手を振り払い睨む
「二度と近付くな」
俺は
「お前って」
お前が
「殺すぞ」
嫌いだ
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