月夜ノ約束

「とんだドジ女じゃねぇか。」

ドジ女と言われ、あながち間違ってはいないが
初対面でありながらその態度といい言語といい
カチーンときた美里。

「そんなこといって!あんたも遅刻でしょーが!」

感情に任せ、初対面に強く当たってしまった。

「そうだけど?」

いちいち彼の言葉にはイライラが募る。

「んじゃ、俺先行くから。じゃあな、ドジ女。」

そういって、イライラMAXの私の横を通り過ぎる。
そのとき彼から昔嗅いだことある優しい匂いがした。

「…まさか、ね。」

そう思いながら、私も颯爽に式の方へ向かった。
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