堕とされて、愛を孕む~極上御曹司の求愛の証を身ごもりました~
色は落ち着いたシルバーで、学生の私でも知っている高級な外国車のエンブレムがついている。もしかして、と思った時にはガチャっと奥のドアが開いて、志門さんが降りてきた。
その一連の動作が私にはスローモーションのように見えるのとともに、まるで漫画のように、彼の周囲にはキラキラと星が瞬いている錯覚を覚えた。
「ごめん、待たせたかな」
「い、いえっ。全然!」
声を掛けられて一度は我に返るが、ネイビーのセットアップにシンプルな白のカットソーを合わせ、カジュアルなのに上品なファッションをした彼に見惚れ、また無言になってしまう。
志門さんってなにを着てもモデルのようにカッコいいから困る……。
「じゃあ行こうか。乗って?」
「はい。お願いします」
助手席のドアを開けてくれた彼にペコっと頭を下げ、車に乗り込む。座っただけで心地よさのわかるシートは、さすが高級車という感じだ。
私はシートベルトを締めながら、右側の運転席に座った志門さんに素朴な疑問を投げかける。