堕とされて、愛を孕む~極上御曹司の求愛の証を身ごもりました~

「外国の車でも、右ハンドルのものがあるんですね」
「ああ、わりと多いよ。日本で走るのにはやはりこっちの方が使い勝手がいい。車だけカッコよくても、駐車場でチケットを取るのにいちいち降りていたらなんだかスマートじゃないと思わないか?」
「なるほど、確かに……」

 納得して頷いていると、ハンドルに片手を預けた志門さんがジッと私を見ていることに気がついてどきりとする。

「あの、なんでしょう?」
「いや。ただ、今日はまた一段とかわいいなと思っただけだ」

 そんな甘いセリフとともににこりと微笑まれ、きゅん、と心臓が縮んだ。

 志門さんは、本当に褒め言葉を出し惜しみしない。それに、お世辞でも社交辞令でもなく、心の底から私を褒めてくれているのだということも最近わかってきたから、余計に照れる。

 私は話題をそらすように、バッグの中に手を入れて、彼と会ったら渡そうと思っていた茶封筒を取り出した。

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