堕とされて、愛を孕む~極上御曹司の求愛の証を身ごもりました~
私たちは車を停めていた近隣の駐車場に戻り、再び志門さんの運転で街中を移動する。
「次の目的地、まだ教えてくれないんですか?」
「そうだな……食事をしにいく、とだけ言っておくか」
食事ということは、レストランだよね? そんなにもったいぶるような、あっと驚くお店なのだろうか。
想像がつかないながらも期待に胸を膨らませること十数分。到着したのは白銀台の高級住宅街に佇む一軒家で、志門さんは私を車から先に下ろし、四台分の広さがあるガレージに車を駐車した。
私たちが乗ってきた車の他に、真っ赤なスポーツカーとレトロな白のクラシックカーが並んでいる。建物の全貌は塀が高くてわからないが、見た感じ三階建てのようだ。
「立派な建物ですね。隠れ家レストランってやつでしょうか?」
車を降りてきた彼に尋ねると、意外な答えが返ってくる。
「レストランじゃない。家だ」
「家……? でも、食事をするって」
ぽかんとして聞き返すと、志門さんはクスッと笑って私の手を握る。
「まずは案内するよ。瑠璃が気に入ってくれないと意味がないからな」
「え……?」