堕とされて、愛を孕む~極上御曹司の求愛の証を身ごもりました~
「安定期に入るのは来月の十一日ですね……。その次の土日で引っ越しが出来れば、クリスマスも年末年始も新居でゆっくり迎えられますね」
膝の上でスケジュール帳を開きながら言うと、志門さんもその案に賛成してくれる。
「俺も、その辺りは予定がなかったと思う。決まりだな」
「はい。……ふつつかものですが、よろしくお願いします」
改まって頭を下げる私に、志門さんも同じようにかしこまった挨拶を返す。
「こちらこそ。一緒に暮らすとなったらカッコ悪い部分もたくさん見せると思うけど、どうか愛想をつかさないでほしい」
「ふふ、実は楽しみです。志門さんのカッコ悪いところを見つけるの」
志門さんが「参ったな」と苦笑しながら、車を停める。話に夢中になっていたら、あっという間に、自宅に到着してしまった。
「じゃあ、また連絡する」
「はい。送っていただいてありがとうございました。おやすみなさい」
「おやすみ」