堕とされて、愛を孕む~極上御曹司の求愛の証を身ごもりました~

「俺には、神谷よりあなたが計算高く卑怯な女性に見えます。少なくとも神谷は……そんな器用な真似ができる女じゃない。妊娠にだって最初は本気で戸惑っていて、やっと幸せになろうって前を向けたところなんです。あなたの勝手な思い込みで、コイツらの仲を引っ掻き回すようなことはやめてください」
「世良さん……」

 まさか、彼が庇ってくれるなんて。しかも、いつになく饒舌……。

 それほど友里恵さんの言い分が納得できなかったということだろう。同僚として、私の性格はよく知っている彼だから。

「ふうん、そう。それじゃ、私の誤解だったのかしら。それとも……」

 血の通わない冷徹な声で呟いた友里恵さんは、世良さんと私を交互に見た後で、口の端をゆがめて笑った。

「実はあなたたちこそが愛し合っていて、共犯関係にある、とか?」

 あなたたちって……私と世良さんのこと? しかも、共犯関係って?

「なにをばかなことを」

 世良さんは鼻で笑うけれど、友里恵さんは自分の思いつきを愉快そうに語り続ける。

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