堕とされて、愛を孕む~極上御曹司の求愛の証を身ごもりました~
新居に着き、志門さんが荷物を二階の寝室に運んでくれている間に、ひとりでリビングに入った私は驚いた。庭へ続く窓の前に、私の背丈と同じくらいの大きなクリスマスツリーが飾られていたのだ。
シルバーや青系の色で統一されたオーナメントは派手過ぎず、部屋にしっとりマッチしている。
しばらくツリーに見入っていると、ラフな部屋着に着替えた志門さんがリビングにやってきて、私の隣に並ぶ。
「どう? そのツリー」
「素敵です。前回来た時と部屋の景色が違ったのでびっくりしましたよ。志門さんが全部飾りつけを?」
「ああ。その必死な姿をあまり想像してほしくはないけどね」
志門さんが苦笑しながら言った。彼のことだから、きっとオーナメントの配置にもこだわって、時間をかけてツリーを完成させたんだろうな。
「やっぱりツリーがあるだけで、一気にクリスマス気分になりますね」
「そうだな。俺は今までイベントごとにあまり興味はなかったが、瑠璃がそばにいると、そうやって喜んでくれる顔が見たくて、あれこれ計画したくなるよ」
「志門さん……」