堕とされて、愛を孕む~極上御曹司の求愛の証を身ごもりました~
でも、それならどうして私を責めないの? 夢に見るほど思い悩んでいるのではないの? 胸の内で問いかけていると、志門さんが腕時計を確認し、申し訳なさそうに言う。
「悪いけど、シャワーを浴びて着替えたらすぐに出発する。木曜には帰るから、その時はゆっくり瑠璃と話ができると思う。いい子で待っていて」
「……はい」
従順にうなずくと彼は微笑み、身を屈めて私のおでこに軽くキスをした。こんな状況なのにドキンと胸が鳴って、ますます切なくなった。
志門さんはどうするつもりなんだろう。私との結婚……それに、赤ちゃんのこと。
さっき『許せない』って呟いていたのは、私と世良さんのことを誤解しているから……?
何度自分に問いかけても、答えが出るはずもない。私はモヤモヤした思いを持て余しながら、出張に出かけていく彼を見送った。