堕とされて、愛を孕む~極上御曹司の求愛の証を身ごもりました~
『……許して、瑠璃の隅々まで愛したいんだ』
男の人にそんな情熱的な言葉をかけてもらうのは生まれて初めてで、どう反応したらいいのかわからない。
顔を覆っていた手をどけ、ただ涙目で彼を見つめれば、四つん這いで顔を近づけてきた志門さんが、唇を優しく啄む。軽やかなリップ音を立てて、何度も何度も。
『俺をこんな気持ちにさせたのは、きみが初めてだよ』
キスの合間に妖艶なバリトンボイスで囁きながら、志門さんの手が背中のファスナーをゆっくり下ろしていく。不思議と抵抗できず、自分以外誰にも晒したことのなかった素肌が、彼の前に暴かれた。
『綺麗』
『……は、恥ずかしい』
『だろうね、すごく赤くなってる……。でも知ってる? そういう反応が男を喜ばすって』
『えっ』
ぎょっとして志門さんを見ると、クスクス笑われて、それから。
『これからもっと恥ずかしがらせるから、覚悟して?』
艶かしい声で宣告するのと同時に、彼は襟元につけていたブラックの蝶ネクタイを取り、シルク素材のシャツのボタンを片手で一つひとつ外していく。徐々に剥き出しになる逞しい裸体は、息を呑むほど美しかった。
『……あまり熱い眼差しで見るなよ。初めてのきみを紳士的に抱きたいのに、その視線で我を失いそうになる』