堕とされて、愛を孕む~極上御曹司の求愛の証を身ごもりました~

 瑠璃はほんのり頬を赤くして恥ずかしそうにした後、それを誤魔化すようにニコッと微笑んで言う。

「さ、どんどん食べましょう! せっかくのクリスマスですから!」
「うん。とくに瑠璃は、ふたりぶん食べないとな」
「いやでも、太りすぎてもダメなんですよ~。この間も病院で注意されたばかりで……」

 妊娠中のこと、子どものこと、大学のこと、それから俺の知らない俺のこと。楽しい会話は尽きることなく、俺たちは大いに笑い、心を通わせた。

 そして食事が済んだ頃、Elisaでもらってきたケーキを開けてみることに。

「世良さん、なにをくれたのかな……」

 瑠璃がそっと箱のふたを開けると、出てきたのは艶のあるチョコレートケーキ……ザッハートルテだった。
 その表面には、ホワイトチョコレートで【Be happy】の文字が。

「世良さん……」
「……なるほど。彼が不器用な人というのは、本当みたいだな」

 その反面、同じ男として嫉妬してしまいそうなほど、度量の広い人だ。口では瑠璃を奪うというようなことを言っていたが、あれも俺を焚きつけるための方便だったのだろう。

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