堕とされて、愛を孕む~極上御曹司の求愛の証を身ごもりました~
「今日は旦那様のお迎え?」
「はい。私は電車でも構わないんですけど、彼がお休みの日は送り迎えするって言い張って」
「よかったね、旦那様とラブラブに戻れて」
「はい」
気恥ずかしさを感じつつも、素直に頷いた。ただ、ラブラブ、というのは語弊があるかもしれない。
志門さんが記憶を失う前に比べたら、彼と私の間にはまだお互いに遠慮がある。志門さんは私の手を握るのにも『いいかな?』と許可を求めるし、キスも、ごく軽いものだけしか交わさない。
そんな穏やかなスキンシップでも幸せは幸せなのだが、ときどき物足りなく思ってしまう自分がいる。たまには、以前のように激しく求められたいな……って。もちろん、口には出さないけれど。
「瑠璃、これ見て」
「わぁ、かわいい……! ファーストシューズですね。肌触りもよさそう」
バイトから帰って、食事も入浴も済ませた後。私は寝室のベッドの上で、志門さんと一緒にノートパソコンの画面を覗いていた。最近、寝る前のくつろぎタイムに、ふたりでベビー用品のネット通販をチェックするのが共通の楽しみなのだ。