堕とされて、愛を孕む~極上御曹司の求愛の証を身ごもりました~
「……少し、怖いんだ」
「えっ?」
怖い……? いったい、どういう意味だろう。
「こうして一緒のベッドで寝ていて、正直毎日のようにきみが欲しくなっているよ。……でも、いざきみを抱いた時に、〝前の俺と違う〟と思われたらどうしようって。いくら記憶をなくしたままの俺を優しく受け入れてくれた瑠璃でも、肌を重ねた時に違和感があったら、心が離れてしまわないかって、不安で……だから、色々と自制していた」
「志門さん……」
全然知らなかった。志門さんがそんな葛藤をしていたなんて。私はただ、その気にならないのだとばかり……。
「でも、肝心の瑠璃の気持ちを聞いていなかったって、今気づいた。そのせいで、もし寂しい思いをさせていたならごめん。……瑠璃さえよければ、きみを抱きたい。それが俺の本音だよ」
彼に優しく語りかけられ、私も正直な気持ちを伝える勇気が出た。彼の目をまっすぐ見つめ返し、言葉を紡ぐ。
「私、イブの夜に言いましたよね。〝私が望む志門さんは、今のあなたです〟って。私は、今の志門さんに触れてほしいんです。そしていっぱい、愛してほしい」
「瑠璃……」