堕とされて、愛を孕む~極上御曹司の求愛の証を身ごもりました~
握り合っていた手の温度が上がり、彼の瞳には、欲情の炎が揺らめく。視線を絡ませたまま徐々にふたりの距離は縮まり、志門さんは少し乱暴に私の唇をふさいだ。
「ん、っ」
キスをしながらベッドに倒されて、ひとつひとつパジャマのボタンを外される。大きな手に素肌の胸をまさぐられると、私の体はすぐに敏感な反応を示した。
志門さんは無意識だろうが、そのやり方は以前の彼とよく似ていて、違和感を覚えるどころか、まるでその逆。
「だめ、それ以上、は」
「嘘つきだな瑠璃は。……体はこんなに悦んでいるのに」
過去の彼を彷彿とさせるその意地悪なセリフに、全身の肌が粟立つほどの快感が走った。
……私はこんなに覚えているのに、あなたにとっては初めてと同じなんだよね。体を繋げることで、私の持っている記憶をあなたに転送できる仕組みならいいのにね。
彼が記憶を失ってから初めて体を重ねたその夜、私はせつなさと幸福の狭間でもがきながら、一生懸命彼と抱き合った。