堕とされて、愛を孕む~極上御曹司の求愛の証を身ごもりました~
「驚きます……よね。ごめんなさい。自分でもまだ、色々整理がついていないんですけど」
彼女はそう前置きをしてから、点滴の繋がれてない方の腕を布団の上に出し、自分のお腹をさすりながら言った。
「赤ちゃんがいるんです、ここに。あなたの子です」
瞬間、心の奥底から湧き上がる強い感動で全身が震えた。
瑠璃の中に、俺の子が? 再会できただけでもこの上ない喜びだったのに、さらに子どもまで授かっていたなんて、これはなんという巡り合わせだろう。
うまく説明できないほどの大きな感情の渦に呑まれて沈黙したままでいると、瑠璃は遠慮がちに続ける。
「いきなりそんなことを知らされても、困ってしまいますよね? でも、私はたとえひとりでも、生んで育てたいって思っているんです。検査薬で妊娠がわかった時は、正直不安しかなかったんですけど……さっき初めてエコー検査をしてもらって、赤ちゃんがここにいるって目で見て実感したら……この子をなかったことになんて、絶対にできない。そう思って」
涙を滲ませながら語る瑠璃を見て、俺は彼女がひとりでどれだけ悩んでいたのかを知る。
妊娠が判明した時、彼女の不安や心細さは計り知れないほどだっただろう。俺に連絡するかしまいか、さんざん葛藤したに違いない。