堕とされて、愛を孕む~極上御曹司の求愛の証を身ごもりました~

 しかし、彼女が連絡せずとも、俺たちはこうして、目に見えない力に導かれたように再会した。これを運命と呼ばずになんと呼ぶ? 今度こそ、彼女を手放してはいけない。

「結婚しよう、瑠璃」

 俺は布団の上の小さな手をぎゅっと握って、ハッキリ告げた。瑠璃の瞳が大きく見開かれる。

「志門さん……今、なんて?」
「結婚しようと言ったんだ。二度と離れないように」

 突然のプロポーズに瑠璃は戸惑いを隠せない様子で、おそるおそる俺に尋ねる。

「でも、志門さんは京極建設の副社長なんですよね? こんな年下の学生と結婚して、周りからなにか言われたりしないんですか? 私が妊娠しているという事実も、ご迷惑なのでは……」
「愛するきみとの間にできた子を、どうして迷惑に思う? 俺はきみと夫婦になって、一緒に子どもを育てたい。瑠璃、返事を聞かせてくれ」

 優しく促すと、感極まったように潤んだ瑠璃の瞳と目が合う。なみなみと瞳に溜まった涙はやがてそこに留まっていられなくなり、ぽろんと彼女の頬を伝って流れ落ちた。

 真っ赤な目をした泣き顔の瑠璃が、震える声で答える。

「私、なんかでよければ……」
「ありがとう。……瑠璃、目を閉じて?」

 彼女の唇に愛を誓うキスを落とそうとして、徐々に顔を近づけていたその時。

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