堕とされて、愛を孕む~極上御曹司の求愛の証を身ごもりました~
瑠璃が俺を遮るように、ベッドの上で大きな声を上げた。
何事かと彼女を見ると、ちょいちょい、と俺を手招きするので顔を近づける。すると瑠璃は声を潜めながら言った。
「お兄ちゃん、この場で妊娠のこと知ったら倒れちゃうと思います。あとで私の方から話しますので、今は黙ってていただけますか?」
「そうか……わかった」
俺としては、正式な順序を飛び越えて彼女を妊娠させてしまったことを早いうちにきちんと謝罪しておきたかったのだが、そのせいで倒れられても申し訳ない。
それに、お兄さんの性格は瑠璃の方がよく知っている。ここは任せた方が得策のようだ。
「なにをコソコソ話しているんだ瑠璃! お兄ちゃんに言えないことでもあるのか!」
苛立ちを滲ませてそう言った浩介さんを見て思う。彼はきっと、瑠璃がかわいくて仕方がないのだろう。
仲のいい兄妹なんだなと微笑ましく思っていると、瑠璃が兄をたしなめる。