愛を贈りたいから〜これからもずっと〜
「井上バイヤー、それはどういう意味ですか?チーフデザイナーは私ですよ。その私とまだデザイナーとしては駆け出しの岩武が同じ担当比率なんて、ありえないでしょう。」
なにを言い出すんだと言わんばかりに、言い返す陽菜さんに
「もちろん、岩武さんの方が上でも構いませんよ。」
と冷ややかに告げる井上さん。
「玲!あんた、人をバカにするのも、大概にしなよ。」
そんな井上さんに、怒りを露にする陽菜さん。
「陽菜さん。」
私はなだめるように声を掛けるけど
「岩武さん、大丈夫だから。」
と井上さんは落ち着いている。
「そもそも担当比率なんて、おかしいでしょ。丸山さんのデザインだろうと、岩武さんのデザインであろうと、ハッキリ言って、私にはどうでもいいこと。要はいいデザインなら私は買うし、売れないと思ったら買わない。私はバイヤーとして、会社からその権限を託されているんだし、その付託に答える義務もある。もっと言わせてもらえば、私は丸山さんと岩武さんの二択なんて、おかしいと思ってる。いいデザイン、売れるデザインであれば、他の会社のデザインだって、買いたいと思います。」
「何言ってるの?本社商品のデザインはウチが独占して担当するって契約じゃない。」
「それがそもそも、おかしいんです。そんな契約を結ぶくらいなら、御社を別会社として独立させる必要なんかなかったと思います。」
「すみません。今は、そのお話をする場ではないと思います。」
話が別の方向に行きそうなので、たまりかねて私は口を挟む。
「そうですね、ごめんなさい。話を元に戻しましょう。とにかく、私は比率にはこだわりません。よいと思うデザイン、商品を採用し、買い付けます。そのつもりで。岩武さん、丸山さんからどういう指示を受けているかは、知りませんけど、私はこれだけの数のデザインを作ればいいなんて、考えは捨てて下さい。」
「1つだけ教えて。」
私にそんな言葉を掛ける井上さんに、割り込むように陽菜さんは言う。
「玲のその方針、ウチの平賀も承知してるの?」
「もちろん平賀部長には、お伝えしましたし、私の上司の了承も得てます。」
そう答えた井上さんと陽菜さんの視線がバチッと火花が散るように重なった。
「わかりました。じゃこれで失礼します。由夏、行くよ。」
そう言うと、憤然と席を立つ陽菜さん。
「陽菜さん!」
慌てて声を掛けるけど、陽菜さんは振り向きもしない。
なにを言い出すんだと言わんばかりに、言い返す陽菜さんに
「もちろん、岩武さんの方が上でも構いませんよ。」
と冷ややかに告げる井上さん。
「玲!あんた、人をバカにするのも、大概にしなよ。」
そんな井上さんに、怒りを露にする陽菜さん。
「陽菜さん。」
私はなだめるように声を掛けるけど
「岩武さん、大丈夫だから。」
と井上さんは落ち着いている。
「そもそも担当比率なんて、おかしいでしょ。丸山さんのデザインだろうと、岩武さんのデザインであろうと、ハッキリ言って、私にはどうでもいいこと。要はいいデザインなら私は買うし、売れないと思ったら買わない。私はバイヤーとして、会社からその権限を託されているんだし、その付託に答える義務もある。もっと言わせてもらえば、私は丸山さんと岩武さんの二択なんて、おかしいと思ってる。いいデザイン、売れるデザインであれば、他の会社のデザインだって、買いたいと思います。」
「何言ってるの?本社商品のデザインはウチが独占して担当するって契約じゃない。」
「それがそもそも、おかしいんです。そんな契約を結ぶくらいなら、御社を別会社として独立させる必要なんかなかったと思います。」
「すみません。今は、そのお話をする場ではないと思います。」
話が別の方向に行きそうなので、たまりかねて私は口を挟む。
「そうですね、ごめんなさい。話を元に戻しましょう。とにかく、私は比率にはこだわりません。よいと思うデザイン、商品を採用し、買い付けます。そのつもりで。岩武さん、丸山さんからどういう指示を受けているかは、知りませんけど、私はこれだけの数のデザインを作ればいいなんて、考えは捨てて下さい。」
「1つだけ教えて。」
私にそんな言葉を掛ける井上さんに、割り込むように陽菜さんは言う。
「玲のその方針、ウチの平賀も承知してるの?」
「もちろん平賀部長には、お伝えしましたし、私の上司の了承も得てます。」
そう答えた井上さんと陽菜さんの視線がバチッと火花が散るように重なった。
「わかりました。じゃこれで失礼します。由夏、行くよ。」
そう言うと、憤然と席を立つ陽菜さん。
「陽菜さん!」
慌てて声を掛けるけど、陽菜さんは振り向きもしない。