愛を贈りたいから〜これからもずっと〜
そして、さっきは一旦お預けになった、あの事も、当然大切なことだ。


変態度を増していると、冗談混じりに由夏に言われてしまったが、でもその方面の欲求が強くなっていることは、自分でも否定出来ない。20代半ばのスポーツ選手としては、一種の生理現象だと思う。


まして、今は彼女と年に数えられるくらいしか愛し合えない現実。昨夜だって、正直に言えば、由夏をむさぼるように抱いたよ。


そして、今夜だって、容赦はしないつもりだ。もちろん由夏が嫌がるほど、するつもりはないが、彼女だって、それを望んでくれてるはずだ。


ただ、注意しなくてはならないのは、やっぱり不用意な妊娠。身近に先輩と水木のこともある。


先輩達はそのまま結婚して、今は幸せな家庭を築いているから、それはそれで構わないのだが、話を聞いた時には、何やってんだよと感じたのは事実だ。


俺達はいずれ、結婚するつもりでいるが、かと言って、まだ正式に婚約してるわけでもなく、由夏も仕事に対する責任がどんどん重くなって来ているようだから、それをぶち壊すようなことだけは避けたいと思ってる。


そして、自分が胸を張って、由夏に


「俺について来い。」


言えるくらいの野球選手にならなきゃ、この話は進まないことだと、俺はずっと思っている。


由夏自身は


「いざとなれば、私が聡志くらい養ってやるから。」


なんて言ってるけど、古臭い男と思われても、それは俺のプライドが許さんからな。


話がなんか、ズレてしまったが、かくして、俺達2人はベッドの中に。さっきは暴走しかけて、危うく由夏に止めてもらったが、全く先輩のこと、どうこう言えねぇよな、あれじゃ。


ベッドで、彼女に甘えられて、嫌がる男はいないが、それにしても、今夜の由夏の甘え方は尋常じゃない。


「さっき、お預けしちゃったから。」


とまぁ罪滅ぼしのつもりもあるらしいが、そのあと


「聡志に浮気されたら、困るし。」


と聞き捨てならないことを言ってくるから


「お前、こんな時に、いきなり何言い出すんだよ。」


と、ちょっとムッとして言うと


「だって、こないだ読んだプロ野球OBの人の本に書いてあったんだもん。プロ野球選手は遠征先に愛人いる人が多いって。」


と不安そうに言って来る。プロ野球選手の妻になるべく、いろいろ勉強してくれてるらしいけど、しかし、キチンとした教材でして欲しいもんだ。


「あのなぁ、誰の本、読んだのか知らないけど、そんなの面白おかしく書いてるだけに決まってるだろう。第一、そんなこと今時しててみろ。すぐにマスコミに暴かれて、大騒ぎになるだけだ。」


昨日あんだけ、愛してやったのに・・・。仕方ねぇ、俺がどんなにお前を愛しく思い、求めているか、今日は徹底的に教えてやるからな!
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