愛を贈りたいから〜これからもずっと〜
キャンプの初日が終わり、いつもくらいの時間に、私は電話を掛けてみた。


プロ初日の感想を聞きがてら、お疲れさまと激励をしようと思ったんだけど、自主トレの間は、割とすぐに出たのに、今日はなかなか出ずに、そのうち留守電になってしまった。


忙しいのかなと思い、留守電、更にはLINEも入れたんだけど、結局折返しもなく、LINEも既読にならなかった。


初日だし、いろいろあったり、疲れて寝ちゃったのかなと思って、もう1度『お疲れさま、おやすみ』とLINEを入れて、私も休んだ。


翌朝、起きるとLINEが入ってた。


『おはよう。スマン、昨日は夜間練習やミーティングがあって、部屋に戻ってバタンキュー。携帯開ける余裕もなかった。
初日から音をあげるわけじゃないけど、でもプロのそれも一軍はやっぱり半端ねぇ。でも、喰らいついて行くから。
試験、もうすぐ終わりだよな?頑張ってな。なかなか返信とかタイムリーには出来ないかもしれないけど、電話やLINE、待ってるから。じゃ、これから早朝散歩、行ってきます!』


発信時間を見たら、朝の5時。ちなみに散歩って書いてあるけど、これはウォーミングアップ代わりに、それなりの距離を朝食前に歩かされるそうで、「散歩」という言葉から受けるイメージ程呑気なものではないらしい。


覚悟は当然してたはずだけど、それにしても、プロの厳しさ、自分とのレベルの違いに、戸惑ってる様子がありありと伝わって来る。


(聡志、負けるなよ。ファイト!)


窓を開け、遠い沖縄の空に向かって、声援を送った。
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