愛を贈りたいから〜これからもずっと〜
そして・・・。
「ところで由夏。」
「うん?」
「仕事は・・・どうなんだ?」
ちょっと聞き辛そうに尋ねる聡志。そんな聡志の様子に、私は一瞬、言葉が詰まるけど
「うん・・・なかなか厳しいよ。仕事も人も減ってしまったけど、残った人間の負担はむしろ、増えてるし。でもその仕事が確実に収益に結びつく保証もないわけだから・・・。」
「そうか、相変わらず大変だな。俺には応援することしか出来ねぇし、同じ言葉しか掛けてやれねぇけど、とにかく無理だけはするんじゃないぞ。それだけは約束してくれ。」
「うん、ありがとう。」
「会社、いい方向に向くといいな。」
そう言って、笑顔をくれる聡志の顔を、私は複雑な思いで見た。
今夜、聡志が宿泊するホテルでのディナーだから、時間を気にせず、私達は久しぶりにゆっくり会話を楽しんだ。
それでも時間には限りがある。電車の時間が近づき、駅に急ぐ私を、聡志は見送りに来てくれた。
「しばらく帰ってねぇから、親父さん達によろしくな。」
「ありがとう。今年はドームやハマスタで聡志の勇姿が見られそうって報告しとく。」
「おう、任せとけ。じゃあな。」
「おやすみ。」
一瞬見つめ合って、おやすみのキスを交わした後、私は聡志に手を振って、プラットフォームに降りて行く。
歩を進めながら、聡志に向けていた笑顔がみるみる消えて行くのを自覚する。
聡志は本当は、聞きたかったはずだ。
「で、結局いつ頃、仙台に来られそうなんだ?」
って。でも、あいつはそれを私に問いただすことはなかった。私もあいつの気持ちに気付きながら、そのことに触れようとはしなかった。
私だって、早く聡志の所に行きたい。それに大丈夫だと信じてはいるけど、長谷川さんの存在が、胸にわだかまっているのは間違いない。
聡志だって、いつになっても、平賀さんの側を離れようとしない私に、不安を抱いているのかもしれない。
そういうことを、私達は結局、話すことをせずに別れてしまった。
(加奈に偉そうに説教なんかしちゃったけど、ちゃんと向き合ってないのは、私達だって同じじゃない・・・。)
そう思い至った私の心は、沈んでいた。
「ところで由夏。」
「うん?」
「仕事は・・・どうなんだ?」
ちょっと聞き辛そうに尋ねる聡志。そんな聡志の様子に、私は一瞬、言葉が詰まるけど
「うん・・・なかなか厳しいよ。仕事も人も減ってしまったけど、残った人間の負担はむしろ、増えてるし。でもその仕事が確実に収益に結びつく保証もないわけだから・・・。」
「そうか、相変わらず大変だな。俺には応援することしか出来ねぇし、同じ言葉しか掛けてやれねぇけど、とにかく無理だけはするんじゃないぞ。それだけは約束してくれ。」
「うん、ありがとう。」
「会社、いい方向に向くといいな。」
そう言って、笑顔をくれる聡志の顔を、私は複雑な思いで見た。
今夜、聡志が宿泊するホテルでのディナーだから、時間を気にせず、私達は久しぶりにゆっくり会話を楽しんだ。
それでも時間には限りがある。電車の時間が近づき、駅に急ぐ私を、聡志は見送りに来てくれた。
「しばらく帰ってねぇから、親父さん達によろしくな。」
「ありがとう。今年はドームやハマスタで聡志の勇姿が見られそうって報告しとく。」
「おう、任せとけ。じゃあな。」
「おやすみ。」
一瞬見つめ合って、おやすみのキスを交わした後、私は聡志に手を振って、プラットフォームに降りて行く。
歩を進めながら、聡志に向けていた笑顔がみるみる消えて行くのを自覚する。
聡志は本当は、聞きたかったはずだ。
「で、結局いつ頃、仙台に来られそうなんだ?」
って。でも、あいつはそれを私に問いただすことはなかった。私もあいつの気持ちに気付きながら、そのことに触れようとはしなかった。
私だって、早く聡志の所に行きたい。それに大丈夫だと信じてはいるけど、長谷川さんの存在が、胸にわだかまっているのは間違いない。
聡志だって、いつになっても、平賀さんの側を離れようとしない私に、不安を抱いているのかもしれない。
そういうことを、私達は結局、話すことをせずに別れてしまった。
(加奈に偉そうに説教なんかしちゃったけど、ちゃんと向き合ってないのは、私達だって同じじゃない・・・。)
そう思い至った私の心は、沈んでいた。