愛を贈りたいから〜これからもずっと〜
そして、私達は投手陣が練習をするグラウンドに向かった。二刀流の聡志だが、今のところ、ほとんどピッチャーとして、練習に参加しているようだ。


私達が行くと、聡志はコーチの打った打球を捕球するノックという練習をしていた。


私達に気付いた聡志が、一瞬はにかんだような表情を見せると、サッと目礼を送って来る。私もそんな聡志に軽く手を振る。


私達家族(私と加奈は正確に言えば、家族じゃないけど)は関係者と同じ扱いで一般のファンじゃ入れないような所にも入ることが出来る。だから、グラウンドのかなり近い所で聡志の姿を見守ることが出来た。


その後、ブルペンに入って投球練習。聡志は先輩達に混じって、汗ビッショリになって投げ込んでいた。


大学時代は、エースではなかったけど、速球派として知られていた聡志。でも、今こうして見ると、その投げるボールのスピードは、決して見劣りするわけじゃないけど、特別目を見張るというわけでもない。


プロのピッチャーのレベルの高さが改めてわかる。


練習の合間には、スタッフの方がいろんな場所を案内してくれるし、選手の邪魔にならない様にだけど、昼食は選手と同じメニューを提供してくれる。


まさに至れり尽くせりという状況で、私達は感謝と感激しきり。


こうして、1日はあっと言う間に過ぎて行った。とにかく聡志の姿をずっと追えて、私とおばさんは大満足だったし、プロ野球選手の迫力とカッコよさを間近に感じて、加奈も胸をきめかせていたようだ。


練習が終わり、お世話になった関係者にお礼を言って、私達はホテルに戻った。


選手は夕食は、宿舎のホテルで摂らなければならないので、残念ながら一緒には食べられないが、休前日でそのあとは夜間練習もミーティングもないので、私達は待ち合わせをしている。
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