愛を贈りたいから〜これからもずっと〜
それから、記者会見、更には地元のテレビ局にハシゴ出演と、どんな快挙を達成したのかと、思うくらいの騒ぎが続いた。
松本さんのコメントを耳にしたのは、そのテレビ出演の時だった。
『3度目の打席の最後のボールは、塚原の性格から絶対にストレートしかないと思っていて、変化球は全く頭にありませんでした。だから僕の完敗です。悔しいですが、高校の可愛い後輩の初勝利を祝したい気持ちもあって、複雑です。今日のところはおめでとう。だがこの次に対戦した時は、容赦しないから。』
いやいや、十分容赦なかったんですが・・・。でも嬉しかった。
そして、遅い夕飯に付き合ってくれたマネージャーの運転で、マンションに帰り着いたのは、もう午前4時に近かった。
「改めておめでとう。取り敢えず、ゆっくり休め、おやすみ。」
「ありがとうございました、おやすみなさい。」
マネージャーにお礼を言って、エントランスから中に入る。エレベーターに乗り、部屋に入る。
出迎えてくれる人がいないのは、ちょっと寂しいけど、でも心地よい疲れが全身を包んでいる。灯りを点け、エアコンのスイッチを入れ、そしてソファに腰を下ろすと、今まであえてオフにしていた携帯の電源を入れる。
途端に嵐のような着信音、LINE、メールの受信音が部屋に鳴り響く。予想は出来ていたけど、それは凄まじい数だった。みんな祝福のそれ、ドラフト指名の時、いやそれより遥かに多い数に思える。
これは一体、どこから、誰から返信してすればいいのか、これは嬉しい悲鳴だ。
さすがに両親は、もう休んでるかな?実家にも祝福の電話が殺到しただろうから、岩武のおじさん、おばさんと今頃祝杯を上げてるか?まぁ、明日は普通に仕事だから、さすがにそれはないか・・・。
そんなことを考えていて、ハッと気付いた。本当なら、誰よりも何よりも優先されて表示されるはずの、あいつからの着信、LINEが見当たらない。
慌てて、あいつとのLINEを開くと、俺が昼に送ったデビューを知らせたメッセージが、未読のままになっていることに愕然となる。
携帯を鳴らしてみると、何回か呼び出し音がなるが、すぐに留守電に切り替わってしまう。
(ウソ、だろ・・・。)
呆然と立ち尽くす俺の手の中にある携帯から、着信音が尚も虚しく響いていた。
松本さんのコメントを耳にしたのは、そのテレビ出演の時だった。
『3度目の打席の最後のボールは、塚原の性格から絶対にストレートしかないと思っていて、変化球は全く頭にありませんでした。だから僕の完敗です。悔しいですが、高校の可愛い後輩の初勝利を祝したい気持ちもあって、複雑です。今日のところはおめでとう。だがこの次に対戦した時は、容赦しないから。』
いやいや、十分容赦なかったんですが・・・。でも嬉しかった。
そして、遅い夕飯に付き合ってくれたマネージャーの運転で、マンションに帰り着いたのは、もう午前4時に近かった。
「改めておめでとう。取り敢えず、ゆっくり休め、おやすみ。」
「ありがとうございました、おやすみなさい。」
マネージャーにお礼を言って、エントランスから中に入る。エレベーターに乗り、部屋に入る。
出迎えてくれる人がいないのは、ちょっと寂しいけど、でも心地よい疲れが全身を包んでいる。灯りを点け、エアコンのスイッチを入れ、そしてソファに腰を下ろすと、今まであえてオフにしていた携帯の電源を入れる。
途端に嵐のような着信音、LINE、メールの受信音が部屋に鳴り響く。予想は出来ていたけど、それは凄まじい数だった。みんな祝福のそれ、ドラフト指名の時、いやそれより遥かに多い数に思える。
これは一体、どこから、誰から返信してすればいいのか、これは嬉しい悲鳴だ。
さすがに両親は、もう休んでるかな?実家にも祝福の電話が殺到しただろうから、岩武のおじさん、おばさんと今頃祝杯を上げてるか?まぁ、明日は普通に仕事だから、さすがにそれはないか・・・。
そんなことを考えていて、ハッと気付いた。本当なら、誰よりも何よりも優先されて表示されるはずの、あいつからの着信、LINEが見当たらない。
慌てて、あいつとのLINEを開くと、俺が昼に送ったデビューを知らせたメッセージが、未読のままになっていることに愕然となる。
携帯を鳴らしてみると、何回か呼び出し音がなるが、すぐに留守電に切り替わってしまう。
(ウソ、だろ・・・。)
呆然と立ち尽くす俺の手の中にある携帯から、着信音が尚も虚しく響いていた。